春の句

季語別整理中

踏絵              

      緋のけだし白きすあしの絵踏かな

春                

       春立つやポストにパリ発エアメール

     みち草はひとりカフェオレ春の夕

  暮遅しゆるりと歩む神楽坂

   春の月どぜうの店の暖簾かな

  春昼や人の声なき相撲部屋

  遊覧船たっぷんゆれて春の波

    なぐさめは雨音ばかり春の風邪

如月              
 
 如月の闇に独りの呼吸音

     如月の壁にひかりの遊びをり 

二月              

    夕暮れの神楽坂行く二月かな

  塵ひとつなき教室や二月尽

四月馬鹿           

    女とはうそつきなもの四月馬鹿


梅               
            
     緋の色の梅のありけり城の庭

    約束をたがへてひとり梅見かな

   紅梅や残り時間のさらさらと

雛祭り             

    つかのまを雛の店に過ごしをり

   雛の日秘かに紅をさしてゐる

 緋毛氈ふるき雛の暗き紅

   真夜中の雛の白き笑ひかな 

    メジロ                

      モノトーン見なれた窓にめじろ来る

 紙風船              

    紙風船突く手のひらと手の甲で

菜の花             

   菜の花の束を抱へし海の駅 

     菜の花忌海の入り日を見てをりぬ

     菜の花や小さき羽音のあふれをり


花・桜              

  馬頭琴城址の花にレクイエム

  花びらとたはむれ響く馬頭琴

    花の海音なき城址濡れてをり 

    ファの音もラの音もなく花の散る

  花の下飼ひ慣らせない孤独かな

          クローバー                     

     葉の数をかぞへて白つめ草に座す

諸葛菜              

    諸葛菜ついぞ届かぬ文を待ち 

  ものの芽にふと臆病になりにけり

        箱柳登りていまもハックルベリーフイン

     去り状や白子の佃煮喰ふてをり

      山椒の芽摘みて整ふ夕の膳   

       ちゃぶ台の丸きカーブや蜆汁      

誇らかに春鮒示す密漁者

    桜しべかんざしにして君が来る






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