冬の句
むささびの眠りてゐたる動物園
ラグビーの終りて他人と握手する
凩を耳に渋茶の旨きこと
冬銀河君のイニシャルたどりゆく
着ぶくれてホームにひとり旅立てり
由比ヶ浜カフエに毛糸の帽子売る
うしろから外套着せらる夜のあり
列車待つしばし男と日向ぼこ
耳袋胡同の闇深きこと
恋ふひとの髪を飾るやむつのはな
戯れの約束もなく聖夜かな
誰ぞ吹くと訊ぬる吾子や虎落笛
逢瀬日の書き込みのある古暦
餅を買ふ男ありけり路地の奥
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